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Kind of Jazz Night

さんふらわあ JAZZ NIGHT 初代プロデューサー
大橋 郁がお届けする『KIND OF JAZZ』。
うろたえず、媚びない。
そんなジャズにこだわる放浪派へ。
主流に背を向けたジャズセレクションをどうぞ。


撰者
大橋 郁
松井三思呂
吉田輝之
平田憲彦

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第1回
Boogie Woogie Trio
Pete Johnson, Albert Ammons, Meade Lux Lewis

キャロルやダウンタウンブギウギバンドといった日本のロックを聴いていた高校生の耳には、まるでロックンロールバンドをソロピアノでやっている感覚。それほど攻撃的で暴力的な音だった.....(大橋 郁)
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第2回
It's Time
Jackie Mclean

今こそ、この瞬間に(It's Time)と新しいMcleanを打ち出す姿勢。Charles Tolliverは閃きあるソロで後年Strata-Eastレーベルを設立する心意気を垣間見せ、Hancockが個性的なソロを展開....(松井三思呂)
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第3回
Woody III
Woody Shaw

ナヴァロ、ブラウン、モーガンと続く伝統に立った上で、独自のスタイルを加えた。アップの曲では強く疾く正確、スローな曲では憂愁感をたたえ温かみがある。全員が一丸の演奏をしている....(吉田輝之)
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第4回
AN HISTORIC RECORDING EVENT
Louis Armstrong & Duke Ellington

マスターがプレイボタンを押す。信じられない音が出てきた。力強いピアノは重く泥臭い。ベースはうなり、ドラムがねちっこい。スウィングではない、モダンでもない、まるでブルースバンドだ....(平田憲彦)
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第5回
NEWPORT IN NEW YORK 72
Various Artists

ジャムセッションの楽しさを知りたいならこれ、というノリノリのセッションアルバム。鳥肌がたつほど感動したLo-Slo Bluze。ロウダウンな超スローでファンキーなブルースだ。白眉はNow's the Timeか....(大橋 郁)
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第6回
Phil Woods
Various Albums

4人の中でフィル・ウッズが最も若く、録音当時25歳であった。一番左の小鳥だけ残りの3羽から少し距離を置いているように見え、これがウッズかなと考えてしまう....(松井三思呂)
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第7回
Battle Royal
Sil Austin vs Red Prysock

シル・オースティン?レッド・プライソック?知らんな〜、と思いつつも「バトルロイヤル」というタイトル、ふてぶてしい顔を見て、これはテナーバトルではなくホンカーの闘いだと直感した....(吉田輝之)
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第8回
I've Got a Big Fat Woman
Treme Brass Band

底抜けに明るいトーン、ガチャガチャうるさいくらいの猥雑さ、これがジャズの原点のひとつなんだと納得してしまった。歩きながら演奏し、時には歌が入り、トランペットは四方八方サウンドを撒き散らす....(平田憲彦)
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第9回
City Gates
George Adams - Don Pullen Quartet

ジョージ・アダムスの雄叫びやドン・プーレンの叩き付ける奏法は、アバンギャルド志向ではなく、ルーツに思いを込め演奏する間に激情が高まり、ほとばしった結果に思える....(大橋 郁)
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第10回
The Bridge
Sonny Rollins

忽然と姿を消した。掃除夫で生計を立て、酒と煙草を断ち、ヨガやバラ十字会で精紳鍛錬を行いながら、マンハッタンとブルックリンを結ぶウィリアムズバーグ橋でサックス練習を日課とした...(松井三思呂)
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第11回
GENTLE NOVEMBER
武田和命

伝説からくるハードイメージに大きく反し、想起するのはコルトレーンのバラードだ。いかに小さく、弱く、狭く吹くかをこころがけて演奏したのではないだろうか。それは強く広い世界に直結していた...(吉田輝之)
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第12回
At The Village Vanguard
The Great Jazz Trio

ビートは店を揺さぶり、バスドラは地響き。ハイハットは空気を切り裂き、緊張感と重たいリズムが空間を変容させていく。トニーのドラムサウンドに包まれ、ビートの波に飲み込まれた...(平田憲彦)
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第13回
Everyone's Wrong But Me
Ella Fitzgerald

まるでSavoy Ballroomにいるような気になる。スイングする心を、最初の師Chick Webbから10代の時に教わり、大切に歌い続けた。だから、彼女の唄い方は終生変わることはなかった...(大橋 郁)
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第14回
Live At The Village Vanguard
Michel Petrucciani

声高に会話していた初老の白人男性2人もステージに釘付けになっていた。その容姿が与える先入観を笑いとばすように痛快な演奏を繰り広げ、アンコールが終わった時には、ウェイトレスは涙を浮かべていた...(松井三思呂)
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第15回
Money Jungle(前編)
Duke Ellington

ベースが唸りをあげるとスピーカーのコーン紙が異様なほど振動している。ドラム、そしてピアノの「ドギャン」が来る。何かとんでもないモノを聴いてしまった。恐怖の大王エリントンがそこに...(吉田輝之)
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第16回
Candy
Chet Baker

エロス、変幻自在なトランペット。ストイックにファンクを刻むベース。ピアノはチェットの猥褻さを助長する。息苦しく愛に飢えたようなアドリブが延々と繰り広げられる美しい闇のビート...(平田憲彦)
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第17回
Night Train
Oscar Peterson

「ナイト・トレイン」は黒人にとって自由への手段だった「地下鉄道」を意識したのではないか。「自由への讃歌」は、無数の仲間や先祖たちへの鎮魂歌なのではないだろうか...(大橋 郁)
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第18回
Nuits De La Fondation Maeght, Vol1
Albert Ayler

迷いがなく、肩の力が抜けていることはアルバムを通して一貫した空気感であり、中上健次の名著「破壊せよと、アイラーは言った」とは違うアイラーが、ここでは躍動している...(松井三思呂)
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第19回
Money Jungle(後編)
Duke Ellington

エリントンは、合衆国は「差別のはびこる時代遅れで、飛び出しナイフが行きかう危険で、金に支配された国」だと言いたかったのではないか...(吉田輝之)
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第20回
Moodsville 9
Tommy Flanagan

メロウ、スウィート、スウィンギー。そしてブルージーという穏やかな演奏。多彩なアドリブはサイドメンの名手として多くの天才たちと共演してきた切れ味するどい演奏...(平田憲彦)
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第21回
One For Fun
Billy Taylor

上品に弾き込み、歌心溢れる。タッチは華麗で優雅、完璧なテクニックは曲の美しさを引き出すための道具として使う。知性を感じ、ビリーの人柄が滲み出ている演奏...(大橋 郁)
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第22回
Nuits De La Fondation Maeght, Vol2
Albert Ayler

「癒しのヒーリングスポット」がブームとなっているが、スピーカーの前で正座し、瞑想してみてほしい。心から癒されることを保証する。涙腺を刺激するに充分な名演...(松井三思呂)
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第23回
Motor City Soul
Father Tom Vaughn

1967年2月にデトロイトで吹き込まれたピアノトリオによるライブ。リリカルさとソウルフルさが一体となった独自スタイルで、わかりやすく大衆的な面を持つ一方、高踏的でマジカルな演奏...(吉田輝之)
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第24回
Mr. Rhythm
Freddie Green

フレディー・グリーン唯一のリーダー作。ソロを取るわけでもなく、自作曲で埋め尽くしているわけでもない。淡々とリズムに徹するように見えて、なくてはならないグルーヴを生み出す要となっている...(平田憲彦)
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第25回
Live from the Showboat
Phil Woods

1977年の第20回グラミー賞で最優秀ジャズ・グループを受賞した楽しさ溢れる大傑作。迷いがなく、吹っ切れたソロとでも云うべきか、メロディアスな天衣無縫のアドリブ...(大橋 郁)
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第26回
Dizzy Atmosphere
Lee Morgan, Wynton Kelly, etc

ウィントン・ケリーのピアノで幕を開ける。テーマのメロディも弾かず、いきなりのソロを飛ばしまくる。続いて4管ユニゾンでリフのテーマが鳴る。このゾクゾク感はハードバップの快楽、醍醐味...(松井三思呂)
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第27回
In The World(前編)
Clifford Jordan
1972年にリリースされた“幻の名盤”。「ジャズ喫茶の名盤」「スピリチュアルジャズの大傑作」「70年台ジャズの金字塔」「CD化されていない最後の傑作」とすごい評判を取った...(吉田輝之)
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第29回
Feeling is Believing & Campus Concert
Erroll Garner

フランスで「40の指を持つピアニスト」、他の欧州の国では「ピアノのチャップリン」「ピアノのピカソ」と云われるエロール・ガーナー。ルーツの一つストライドピアノ風の強烈な左手も忘れられない...(大橋 郁)
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第30回
Journey To The One
Pharoah Sanders

ファラオ・サンダース生涯の大傑作。鉄壁のリズム隊とお洒落な女性コーラス、テナーが唸り、エディ・ヘンダーソンのフリューゲルホーンが絡む。このグルーヴは余人をもって代え難く、今もフロアを揺らしている...(松井三思呂)
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第31回
In The World(後編)
Clifford Jordan

自主制作に近い形で1969年に吹き込むがレコード化ならず、その後ストラタ・イーストで1972年にレコード化、盟友エリック・ドルフィーに捧げられた。歴史的名盤ではない。しかし奇跡の作品といいたい...(吉田輝之)
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第32回
At the Blue Note:
The Complete Recordings

このライブを心から楽しむ方法は、大きな音で一気に全てを通して約7時間、ぶっ通しで聴くこと。体験したことのない音楽世界を堪能できる。演奏者と聴衆の三日間の人生を、自分の人生と重ね合わせる...(平田憲彦)
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第33回
Concert By The Sea
Erroll Garner

最後までノリノリの決定的名演。JAZZレコードが10枚もない頃から何度も癒してくれた。もちろん、私だけの秘蔵盤ではなく天下の名盤として多くの人に愛されてきた。『Autumn Leaves』は白眉...(大橋 郁)
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第34回
Fuego
Donald Byrd

饒舌さはなくシンプル、ロングトーンで表現される歌心。レックス・ハンフリーズのシンバルに導かれた“炎”のようなテーマの後、先発ソロのバードに引き続いて、マクリーンの登場...(松井三思呂)
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第35回
At Stratford Shakespearian Festival
Oscar Peterson

ギターのドライブ感のすごさは表現しがたいレベルだ。ベースは豪快にスイングし、走りがちとなるピーターソンとエリスを支えている。ピーターソンのギタートリオ時代の最高傑作...(吉田輝之)
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第36回
Jumpin' with Al
Al Casey

鋭いソロとザクザク刻まれるストロークが心地よい。ジャズギターはエレキが主流だが、アル・ケイシーはアコギ。しかもスティール弦。タップの靴音も軽快に、心はほどけていく...(平田憲彦)
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第37回
Nina Simone and Piano
Nina Simone

ニーナのピアノから、アーシーでファンキー、生まれ育った南部やゴスペルをベースとした黒人音楽そのものを感じる。遠いルーツであるアフリカを...(大橋 郁)
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第38回
GRIFF & LOCK
Eddie "Lockjaw" Davis & Johnny Griffin

「ケルン・コンサート」にハマっていた。透明感を持ったピアノが素晴らしく、それをパラゴンというスピーカーの王様が再生してくれる。しかしマスターは軽くいなすように、「その前にこれも聴いてみて」...(松井三思呂)
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第39回
UP, UP AND AWAY(前編)
Sonny Criss

「ソニー・クリスが自殺した」と聞いたのは三宮のジャズ喫茶「木馬」だった。1977年11月だ。クリスのことを調べていて、突然過去の記憶が戻り、少し違うことに気付いた...(吉田輝之)
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第40回
Deep Blues Collection
Various Musicians

40回目キリ番は、いつもと違った趣向でセレクト。題して『ディープ・ブルース・ジャズ大会』。洗練されていない泥臭いブルースをやっているジャズである...(平田憲彦)
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第41回
Basie in London
Count Basie

1980年3月20日、初めて生でカウント・ベイシー楽団を聴いた。ブッチ・マイルスのドラム、フレディー・グリーンのギターに支えられ、ベイシーの小気味よいピアノをバックに、一糸乱れず完璧な演奏...(大橋 郁)
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第42回
Rhythm And Blues
WORLD SAXOPHONE QUARTET

6つのカバー曲を聴いてほしい。てらいもなく痛快に吹ききっている。あっけらかんとかっこ良く。大衆音楽的で芸能的であるものも、良いものは良いとする潔さ...(松井三思呂)
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第43回
UP, UP AND AWAY(後編)
Sonny Criss

シダ・ウオルトンのピアノとタル・ファーロのイントロからソロに続き、ピアノの後一気加勢に吹き切ってしまう。「上へ、上へ、そして遠くに」。「どうだ、これがクリスだ」と叫びたくなる...(吉田輝之)
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第44回
Don't Go To Strangers
Etta Jones

聴けば聴くほど、ヴォーカルがサックスの音に近い感触であることがわかる。鼻にかかった声質と、伸びのある渋めの歌声がサックスのトーンに近いからかもしれない...(平田憲彦)
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第45回
Live at Jimmy's
Michel Legrand

映画音楽風、ボサノバ風、ジャズ風、ワルツ風、様々なスタイルで楽しませ、最後はサーカス風で大胆に。こんな発想は、モダンジャズという枠組みからはなかなか出てこない...(大橋 郁)
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第46回
Village Vanguard Live Collection(Part 1)
Tenner Saxophone Side

ヴィレッジ・ヴァンガードに絞って4枚のアルバムを取り上げることにした『Village Vanguard Live Collection(テナーサックス篇)』。最初の2枚は...(松井三思呂)
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第47回
At St George Church(前編)
Ralph Sutton

明るい表通り(On The Sunny Side Of The Street)より暗い裏通り(The Dark End Of The Street)をうろついている。何気ない通りが、とんでもない通りであることがわかり感嘆してしまう...(吉田輝之)
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第48回
Spring
Tony Williams

アルバムジャケットに惹かれた人も多いはず。混沌、曖昧模糊を面白がれるなら、4曲目の美しいメロディにたどり着ける。マイルス・クインテットと同時代だからといって気軽に聴いてはいけない。まったく違う音空間へ...(平田憲彦)
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第49回
Piano Trio on 8th note rhythm Collection
Various Musicians

4ビートが当たり前のジャズのアルバムを聴くうちに、突然8ビートが鳴り渡ると、幸せ中枢を刺激され、ダンシングムードに包まれる。今回は、8ビートのジャズピアノトリオというテーマに絞って紹介したい...(大橋 郁)
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第50回
Village Vanguard Live Collection(Part 2)
Tenner Saxophone Side

歓びに満ちた音楽。優しさにあふれた音楽である。「真実は行進してやってくる」に込められたパッションが、6人の全力疾走フリー・インプロヴィゼーションで表現される...(松井三思呂)
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第51回
At St George Church(後編)
Ralph Sutton

ピアノタッチは美しく粒だち、一音一音が揺れている。ウォーラーのスイングジャズのウキウキ感を継承し、ユーモアの奥にくるまれた高い芸術性を発展させた人といえよう...(吉田輝之)
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第52回
Adam's Apple
Wayne Shorter

ワンホーンカルテットというフォーマットを生かし切ったショーターの傑作アルバム。多くのナンバーがブルースで、ショーターらしい幻惑感あふれるブルースを楽しめる...(平田憲彦)
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第53回
Baseball and Jazz in US
Various Musicians

ニグロリーグなる黒人野球の世界で活躍したサッチェル・ペイジという人物に、長らく惹かれていた。今回は、アメリカが生んだ二つの偉大な創造物、野球とジャズについて書きたい...(大橋 郁)
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第54回
The Sextet
Lennie Niehaus

パーカーとは正反対、さわやか系でガッツリさは全くない。休日の午後、缶ビール片手に管楽器を楽しみたい時には、これに勝るものはない。聴き終わると、美味しい蕎麦を食べた後のような清涼感に包まれる...(松井三思呂)
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第55回
LIVE!
Jack McDuff

不穏な空気。パワー全開、何か怪しげなものが歩いて向かってくるようなベースラインなのだ。そのただならぬムードの根源はドラムのジョー・デュークスにある...(吉田輝之)
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第56回
Marsalis Standard Time, Vol.1
Wynton Marsalis

『スタンダードを演奏するとは、伝承素材を再構築して曲の本質をえぐり出すことだ』というような主張すら感じさせる。スタンダードをやっている大勢のジャズミュージシャンに対するアンチテーゼ...(平田憲彦)
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第57回
Great Connection
The Oscar Peterson Trio

「ソフトウィンズ」でのダイナミックな演奏は分厚いハーモニー。これ以上ゆっくり出来ないくらいスローでレイジーに始まりながら、途中から倍テンポで圧倒的にファンキーでブルージーな演奏に変化...(大橋 郁)
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第58回
Bottoms Up
Illinois Jacquet

「ボトムズ・アップ」は「フライング・ホーム」のコード進行のジャケー・オリジナル。ハリスのイントロに導かれ、おとなしくスタートするが、やがてホンカーの博覧会状態、威風堂々...(松井三思呂)
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第59回
Live at Yoshi's
Pat Martino

1976年に脳動脈瘤で倒れ、1980年に手術を受けるが、自分の両親の名前の他全てを忘れてしまう。ギターはもちろん、自分が何者かも。36歳で自分が自分であることの全てが根こそぎ、どこかにもっていかれた...(吉田輝之)
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第60回
Musings of Miles
Miles Davis

『Will You Still Be Mine?』って曲、もとは歌らしいけど、『あり得ないことが起こっても、あなたは私の人でいてくれるの?』という意味を彼女は知っていたのかもしれない...(平田憲彦)
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第61回
Bouncing with Bud
Bud Powell

パウエルの素晴らしさはブルーノートやヴァーヴ時代だけではない。往年の演奏と比べるのでもない、全盛期を過ぎて録音されたものである等ということとは全く無関係に素晴らしい内容だ...(大橋 郁)
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第62回
Various Albums
Zoot Sims

「ラヴァー・カムバック・トゥー・ミー」からKO。多くのミュージシャンが演っているが、このアル&ズートの演奏に対抗できるものは、エド・サリバン・ショーのザ・ピーナッツだけだと思っている...(松井三思呂)
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第63回
Lament for Booker Ervin
Booker Ervin

インスピレーションが湧いて止まらなくなった演奏ではない。笑われてもばかにされても絶対に吹き続けるという演奏だ。魂の奥底から、わけのわからないものが突き上げてきた演奏なのだ...(吉田輝之)
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第64回
Fine and Mellow
Billie Holiday

典型的な12小節ブルース、味わい深いボーカル。歌われているのは、男に蔑まれている女ではない。もっと根源的な男女の関係性。それが、このタイトルに現れているのである...(平田憲彦)
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第65回
All Star Band at Newport '78
Lionel Hampton

「フライングホーム」は楽団のテーマソングのような曲で、サックス陣が順々にソロを回す。ペッパー・アダムスのバリトンや、チャールス・マクファーソンのアルト、アーネット・コブのテナーが熱狂的に...(大橋 郁)
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第66回
The House Of Blue Lights
Eddie Costa

これ持ってへんかったら、買っといた方がエエで。おどろおどろしいねん。まあ、『ウルトラQ』の最初ちゅう感じよ!妖怪の館みたいなデザインで面白そうだし...(松井三思呂)
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第67回
DO SOMETHING!
〜神戸からの祈り〜
板橋文夫

演奏が激してくると板橋さんは拳骨で鍵盤を叩き、押さえたまま横すべりさせる。ピアノの前に座った女の子二人が口をあけ目を丸くしているのが実におかしい。世界最高のピアノトリオと確信した...(吉田輝之)
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第68回
In My Element
Robert Glasper

ヒップホップの空気だ。裏道、脇道、暗がりに潜むサウンド、しかし破滅的ではない。強いていえば優雅でエレガント。だがデートのBGMにはなりそうもない...(平田憲彦)
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第69回
The Best of Sammy Davis Jr. Live
Sammy Davis Jr.

消えていった無数の同胞である「ミスター・ボージャングルズ」。サミー自身が「ミスター・ボージャングルズ」の後継者の一人であり、その遺産を継いでいる...(大橋 郁)
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第70回
Rah
Mark Murphy

「ドゥードゥリン」はリラックスした歌いぶりで、一杯飲みながら歌っているジャズクラブのライブのようだ。これだけ歌のうまい人にこの名曲、お酒のアテとしても最高...(松井三思呂)
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第71回
Two Sides of Jack Wilson
Jack Wilson

「ONCE UPON A SUMMERTIME」は1962年にブロッサム・ディアリーが歌いヒットした。しかし、僕にとってこの曲のベストは、ジャック・ウィルソンのヴァージョンだ...(吉田輝之)
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第72回
Session on 5th April, 1960
Lonnie Johnson

ブルースとジャズを繋ぎ、20世紀初頭に誕生し、脈々と受け継がれてきた豊饒なアメリカンミュージックが、どれほど輝く表現であるかを物語る...(平田憲彦)
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第73回
Live In Paris
Dee Dee Bridgewater

ストレートでパワフル、パリの聴衆に温かく受け入れられていると感じていることが、伸びやかな歌から伝わってくる。パンチの効いた流れるようなドライブ感...(大橋 郁)
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第74回
A Love Supreme
John Coltrane

1964年の晩夏、書斎に閉じこもり、「組曲」を完成させる。『至上の愛』については語り尽くされている感があるが、超名盤でもいまだに何かを発見できる。ジャズの奥深さである...(松井三思呂)
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第75回
The Kerry Dancers(第1回)
Jonny Griffin

レコードの音だけが聞こえる。サックスのワンホーンだ。この曲は知っている、しかし曲名が思い出せない。随分長く感じられたが実際は数分だったと思う。肩をたたかれて顔を上げる...(吉田輝之)
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第76回
It's About Time
Najponk

真っ黒けなアルバム。フェンダーローズとハモンドB3、ドラムという変則的というか変態的なトリオ編成。出てくる音は思いっきりブルースでゴスペル、そして紛れもないジャズ...(平田憲彦)
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第77回
Spirituals
David Murray

ソロはフリーキーに広い音域を行ったり来たりする。うねるフレーズが何処までも伸びていく。アタマの中はどうなっているのだろう、と思ってしまうくらい自由なソロ...(大橋 郁)
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第78回
銀巴里セッション
新世紀音楽研究所

「ジャズ・アカデミー」と称する演奏家集団(金井英人、高柳昌行、富樫雅彦、菊地雅章)に「銀巴里」は演奏の場を提供。日野皓正、山下洋輔、鈴木勲、中牟礼貞則、稲葉国光などを加えた「新世紀音楽研究所」...(松井三思呂)
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第79回
The Kerry Dancers(第2回)
Jonny Griffin

手もまだ握っていないんでしょ、気にすることは全然ないわ、と慰めているのか苛めているのかママは言った。10年後、勤めていた会社がつぶれ、また東京を離れることとなった...(吉田輝之)
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第80回
Fight Against Babylon
New Zion Trio

ジャマイカン・ダブ・ミュージックがジャズになるとこんなに気持ちがいいのか。ローズのふわふわしたサウンドやアンビエントなアコースティックピアノ、ドラムとベースが抑制されたレゲエビートを刻むかっこよさ...(平田憲彦)
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第81回
慕情
菅野邦彦トリオ+1

映画の主人公に成りきったような感情移入を感じる。一旦波に乗ったらぞくぞくするくらいスイングするピアノ。和ジャズの代表的な名手による決定的名演、至福の一枚...(大橋 郁)
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第82回
We Insist!(前編)
Max Roach

ナット・ヘントフはダウンビート誌を去った後、ヴィレッジ・ヴォイスのコラムを担当、辛口の政治評論を50年間続けるなど、ジャーナリスト、小説家として名声を得ていく...(松井三思呂)
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第83回
ファンキー!登場
白木秀雄

クインテットは松本、福原、世良のソロから白木のソロへと続く。火の吹くような演奏だが、白木のドラムは震えがくる凄さだ...(吉田輝之)
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第84回
Talk To My Lady
Gene Russell

ジーン・ラッセルの転がるエレピは昇天しそうな鍵盤さばき。うねるヘンリー・フランクリンのベース。リズム隊を逸脱してどっちがソロを弾いているのか分からない...(平田憲彦)
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第85回
Dark Beauty
Kenny Drew

ゴリ押しピアノ。対話的インタープレイのトリオではない。ピアノのダイナミックな表現をより分厚くし、ダイナミックでワイルドに聞こえさせるドラミングとベースワーク...(大橋 郁)
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第86回
We Insist!(後編)
Max Roach

アタマからヨハネスブルグ!ローチはこう言っている。まずアフリカを心に持つべきで、次にアメリカ合衆国、それから他の国々に心を向けるべきだと...(松井三思呂)
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第87回
Katanga
Curtis Amy & Dupree Bolton

『カタンガ』はコンゴの州。音はデカくて率直で、時に聴く者が何も考えられなくなる程生々しい。彼が唇をトランペットにつけると、誰もが聴くしかない...(吉田輝之)
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第88回
Jo Jones Trio
Jo Jones

アドリブに突入したとたんパパ・ジョーのブラシが炸裂。砂をかき回すようなうねりと分厚く拡張感あふれるプレイ。続いて、あらゆるドラム部位を駆使したパーカッシブな万華鏡...(平田憲彦)
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第89回
'Round About Midnight
Miles Davis

威張らず、どや顔をせず、黙って包み込むピアノ。色気が立ち上る音色を持つピアニスト、レッド・ガーランドの起用によって、マイルス・ファースト・クインテットのサウンドは完成した...(大橋 郁)
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第90回
Pit Inn
Cedar Walton

無限に繰り返されるのではないかと錯覚するリフ、キャッチーなテーマ。新宿「ピット・イン」に詰めかけた観客(村上春樹氏もその一人であった)も、期待を超える快演に驚いている...(松井三思呂)
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第91回
Fabulous Slide Hampton Quartet
Slide Hampton

ワンホーンとは思えない分厚さで吹くハンプトン、ペデルセンのベースが地鳴りをあげる。キューンは首を絞められたニワトリのような奇声を上げ、抑制のきいたフィリー・ジョーはバックでも叩きまくる...(吉田輝之)
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第92回
Havin' Myself A Time
Kim Parker

どこかで耳にした名前だ。キム、そしてパーカー。ケニー・ドリュー・トリオをバックにした女性ジャズボーカルをたっぷり楽しめるこのアルバムは、さながらワンボーカル・カルテット...(平田憲彦)
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第93回
Live At Jazzhus Montmartre
Various Artists

「カフェ・モンマルトル」はヨーロッパの「ヴィレッジ・ヴァンガード」と呼ばれる。欧州と米国のミュージシャンは、影響を受けたり与えたりしてきた。その実況録音からアルバムを選んでみた...(大橋 郁)
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第94回
A Night At Boomers,Vol.1
Cedar Walton

グリニッジ・ヴィレッジのブリーカー・ストリートで、71年から79年まで営業したライヴハウス、ブーマーズ。当時シダー・ウォルトン・トリオはハウスバンドだった...(松井三思呂)
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第95回
Jazz Giant
Bud Powell

スペイン語「UN POCO LOCO」は「ちょっとお馬鹿さん」と訳されることもあるが、LOCOというのはFOOLやSTUPIDではなくINSANEに近く「ちょっと正気じゃない」、実際、パウエルの演奏自体「ちょっと正気じゃない」のだ...(吉田輝之)
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第96回
Bird Symbols
Charlie Parker

ジャズの巨人にしてアドリブの天才と言われるパーカーは、カバーされる事が多い割に実際に聴かれる頻度は低い。そのパラドックスを解明し、パーカー音楽の本質を探りたいという誘惑に駆られた...(平田憲彦)
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第97回
Swing Low Sweet Spiritual
Albert Ayler

「スピリチュアルユニティ」を録音した28歳のアイラ—。「聖者の行進」や「オール・マン・リバー」など米国トラディショナル・ナンバーをベースとし、アイラーのルーツが明確にされている...(大橋 郁)
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第98回
Nice and Easy
Johnny Lytle

ヘイズの火の出るようなイントロ、先発リトルのドライブ感満載のソロ。続くティモンズも超高速パッセージ。トリは早吹きグリフィンで、ここまで来ると聴いている方は昇天もの...(松井三思呂)
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第99回
Cumbia & Jazz Fusion
Charles Mingus

「消火用斧」を振り回し、ピアノの上を跳び越してティゾールに襲いかかったが、代わりに椅子を破壊してしまう。事件の原因はティゾールにあるが、やんわりと説得され自主退団という形でクビになった...(吉田輝之)
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第100回
連載100回記念
片岡 学 インタビュー

万象堂 Kind of Jazz Night 連載100回を記念して、トランペッター片岡 学さんの2万字スペシャルインタビューを掲載いたします。
1934年兵庫県明石市生まれ。戦後の混乱期に高校生だった片岡さんは、少年ながら夜の神戸三宮でジャズを吹き始めました。2013年12月に79歳になる現在でもステージに立ち、日本がジャズ文化を吸収発展させていく過程を生きてきた同時代性があります。
片岡学さんの視点を通じて日本のジャズ史を垣間見ることが出来ます。80歳を目前にしたベテラントランペッターの物語。是非お楽しみください。

【第1部 少年時代】
【第2部 ジャズでメシを食う】
【第3部 東京から神戸へ】
【第4部 70歳を越えて】
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第101回
Tokyo Jazz Rhapsody

太宰の『メリイクリスマス』や安吾の『堕落論』から醸し出されるブルースな気分。それは銀座ではなく新宿ゴールデン街だと僕は思う。...(平田憲彦)
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第102回
Fathead
David "Fathead" Newman

レイ・チャールスを支えたデヴィッド・ファットヘッド・ニューマン。サックスはテキサス・テナーの風味とはいえ、吠えまくるというよりルーズで泥臭く、優しくまろやか...(大橋 郁)
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第103回
DANCING 古事記
山下洋輔トリオ

『DANCING 古事記』が録音された1969年初夏の早稲田大学は学園紛争が燃え盛って、中核派分派の黒ヘル「反戦連合」が本部と第二学生会館をバリケード封鎖した...(松井三思呂)
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第104回
番外編:ゴスペルと世俗音楽(1)
Amazing Grace
Aretha Franklin

仙人は人里離れた地に住み、たまに下界に下りて音楽バーなどに顔を出すが、静かにお酒を飲んでいるだけで音楽のことなんて全く言わない。しかし...(吉田輝之)
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第105回
Rock Love Jazz

これはロックなのか。ジャズなのか。膝が動く、ため息が聞こえる、情熱が迫り心が解き放たれる、ブルース、ビート、スウィング、そして歌声。ともかく、ご機嫌な音楽...(平田憲彦)
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第106回
Horn & Piano Duo
Various Artists

デュオとは二人による二つの楽器だけで完結させる形態である。管楽器とピアノによるデュオは、「主と従」の関係にも「主と主」の関係にもなる。漫才風に言えば「掛け合い」である...(大橋 郁)
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第107回
Three Riverside Albums
Art Blakey and the Jazz Messengers

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズのリヴァーサイド3部作と聞いて、たちまち3枚のアルバムが出てくる人は、JM中毒が相当に進行している...(松井三思呂)
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第108回
番外編:ゴスペルと世俗音楽(2)
Precious Memories
The Original Five Blindboys Of Mississippi

彼の声には相反する要素が同時存在する。「絶対矛盾的自己同一」という哲学用語が、アーチー・ブランリーを聴いて理解できた。20世紀のアメリカ黒人社会が生んだ人類史上、最強の歌手...(吉田輝之)
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第109回
Jazz from Japan

『和ジャズ』ではなく『日本人のジャズ』。あれこれと書くよりも、物語の登場人物たちに語ってもらおう。主人公は、夜な夜なバーを飲み歩く男。バーの主人は正体不明の女...(平田憲彦)
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第111回
【寄稿】
テナーサックス奏者としての菊地成孔への羨望
小島良太

兵庫県加古川市の東播ジャズ倶楽部発行『VOYAGE』の編集長、小島良太氏から原稿が寄せられました。疾走感ある語り口は、取り上げているサックス奏者の投影かもしれません。
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第110回
Song For My Lady
McCoy Tyner

軽快なスイングではなく、ドロっとした独特のピアノ。この時期の日本のジャズ・ピアニストの多くはマッコイ風に弾くことを目指した。誰もがマッコイの魔法にかかっていたのかもしれない...(大橋 郁)
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第112回
Beauty in Blue Note(前編)
Various Artists

ジャズの「ジャケ買い」、最大派閥は「美女ジャケ」だ。今回と次回の2回にわたって、リーダー楽器別にブルーノートの「美女ジャケ」を紹介。今回はリーダーが管楽器以外で...(松井三思呂)
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第113回
番外編:ゴスペルと世俗音楽(3)
Live at the Harlem Square Club, 1963
Sam Cooke

「ハーレム・スクエアはゴスペルだ」と断言する評論家やファンが多かった。その根拠がサムのゴスペル唱法だけに準拠しており「それだけなのかな」と釈然としなかった...(吉田輝之)
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第114回
To My Queen
Walt Dickerson

ジャズシーンに於いてはメジャーとは言いにくい楽器ヴィブラフォン。しかし、これほど聴くひとを酔わせる楽器もない。音楽とは、空間そのものを指すのだろうかと思わずにいられない...(平田憲彦)
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第115回
Tete Montoliu
Recordando A Line

去った恋人リネに対し「もっと君を大事にしなくてはならなかった」と歌っているのだろうか。タイトルにリネの名を冠する程の悲しさとは思えないくらい、内容は強力にスイング、抜群の出来だ...(大橋 郁)
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第116回
Beauty in Blue Note(後編)
Various Artists

ブルーノートのジャケットには素晴らしいものが多く、オリジナル盤を集めているコレクターには絵画を買っている感覚の人も少なくないのでは。選ばれたアルバムは、リード・マイルスの存在も光っている...(松井三思呂)
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第117回
番外編:ゴスペルと世俗音楽(4)
Albert Ayler
Ghosts

ゴスペルと世俗音楽との違いはキリスト教テーマを歌っているかどうかで区別される。しかし本質的にゴスペルは「シャウト」を行い「聖霊」を呼び込み「魂が救済」される音楽だ。内容がキリスト教(神)に関するものであってもなくても...(吉田輝之)
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第118回
Live at the Jamboree
Andrea Motis

どうみても10代の少女であった。共演しているコンボは誰が見てもオッサンである。奇妙な組み合わせのステージで堂々としたボーカルはオリジナリティに満ちている...(平田憲彦)
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第119回
Alone at Montreux
Ray Bryant

予定されていたピーターソンに替わって急な代役、というのは有名な話だが、観衆がどんどんレイの世界に引きずり込まれ、ピーターソンのことは忘れて魅了され、熱狂している様子が伝わってくる...(大橋 郁)
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第120回
Black Market
Weather Report

1980年の大阪フェスティバルホールで「バードランド」のイントロが始まった瞬間は忘れられない。2回にわたりウェザー・リポートを掘り下げてみたい。今回はジャコ以前...(松井三思呂)
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第121回
When I Was At The Aso-Mountain
Elvin Jones
introduces
Takehisa Tanaka

テーマのあと、ベースの短いソロ、ビアノが始まり数秒たって「ゾワっ」ときた。顔をスピーカーの方に向けると、マスターが勝ち誇ったようにCDを目の前に突きつけてきた...(吉田輝之)
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第122回
Debussiana
Horacio Icasto

アルゼンチン生まれのスペイン人ピアニスト、オラシオ・イカスト。ドビュッシーやラヴェル、プロコフィエフの楽曲が、素晴らしいジャズとして生まれ変わっている...(平田憲彦)
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第123回
Dynasty
Jackie McLean

ルーツを見つめ、異文化に敬意を払い、受け入れてきたジャッキーとルネ・マクリーン親子によるひとつの到達点。かなり激しく、爆発的に強力な演奏だ...(大橋 郁)
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第124回
Heavy Weather
Weather Report

ザヴィヌルのポップ感覚、ショーターのジャズ・スピリットに溢れアヴァンギャルドとの綱引きという構図から、バンドは宇宙人ジャコの持つ独特のリズム感覚で三位一体の変化を遂げた...(松井三思呂)
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第125回
Alone, Alone and Alone
Terumasa Hino

「ヒノテル」もしくは「日野皓正」と呼んできた。僕の5歳前後の年齢のジャズファンは無意識のうちにかなり年上の日野さんを「同世代」と勝手に思い込んでいた...(吉田輝之)
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第126回
Jazz Meet The Beatles
Various Artists

レゲエ、ロック、クラシックなどと融合しながら独自の世界観を拡張していくジャズの生命力こそ、強く惹かれる要素。今回もジャンルを超えるジャズを取り上げたい。ビートルズである...(平田憲彦)
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第127回
Summertime
Hideko Okiyama

ジャズ・ヴォーカリストとして捉えるのは間違っているのかもしれない。恐喝未遂、精神病院入退院、自殺未遂を何度も繰り返すなど、周りから迷惑がられたという。打算のない純粋な人だったのではないか...(大橋 郁)
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第128回
TOKI
Hidefumi Toki

初リーダー作で完成形を提示しながら、現在まで守りに入ることなく新しいものを吸収し、音楽家として進化し続けている...(松井三思呂)
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第129回
Solo
Famous Melodies
Takeshi Shibuya

「あるレコードを探しているんだよ」という話を聞いた。渋谷毅のソロ『渋やん』だ。1982年の西荻窪アケタの店での「本番前のあき時間」でのソロ演奏をおさめたもの...(吉田輝之)
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第130回
A Boy Named Charlie Brown
Vince Guaraldi

チャーリー・ブラウンがうんざりし、ライナスとルーシーが走り回る。寝そべるスヌーピーをからかうウッドストック。愛らしい彼らを支えてきたのはジャズだった...(平田憲彦)
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番外編
Interview in Osaka Japan 2015
Andrea Motis & Joan Chamorro
来日インタビュー
アンドレア・モティス & ジョアン・チャモロ

スペイン、バルセロナのジャズ・グループ、アンドレア・モティス & ジョアン・チャモロ・クインテットが初来日し、スコット・ハミルトンとツアーを行いました。大阪でのインタビュー。お楽しみください。
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第131回
Misty
Takehiro Honda with Mama. T.

1972年、福生の横田基地。一聴してゴスペルやブルースルーツの黒人フィーリング満載の歌声。本田とママ T.のスイング感、そして「日本の中のアメリカ」...(大橋 郁)
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第132回
Heart Bop
Franco Ambrosetti

「ハードバップ」ではなく『ハートバップ』というタイトルがイカしている。クセモノ達が微妙なバランスで結束し、熱血ハードバップを奏でた...(松井三思呂)
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第133回
Nothin' But Coltrane
Tomoki Takahashi

スタイルはコルトレーンの影響を受けていても演奏者の持ち味は自然と出てくるんじゃないですか、と軽く言ったところ、それから3時間に亘る大激論になってしまった...(吉田輝之)
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第134回
Silence in Jazz
Various Artists

音楽に内在する『覚醒』と『鎮静』を考えれば、ダンスミュージックは『覚醒』という側面である。今回は、普段あまり取り上げられることの少ない『鎮静』としてのジャズを...(平田憲彦)
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第135回
Road Song
Wes Montgomery

ダイナミックで、ブルージーかつアーシー。クリード・テイラーは、ウェスの荒々しいギターを殺さないように、オーケストラという衣でまとって新しい面を引き出した...(大橋 郁)
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第136回
Enja Selection Vol.2
Various Artists

ジャズ喫茶体験からゲットした「エンヤと言えば、これでしょう!」という作品をご紹介。まず最初にエンヤで手に入れた思い出深いアルバム、トミフラの『エクリプソ』から...(松井三思呂)
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第137回
Go Power
Illinois Jacquet

冒頭の「ON A CLEAR DAY」を聴き、昔日の日々を思い出したら外に出よう。「ある晴れた日に、顔を上げて見回してごらん、きっと本当の自分がわかるから。」...(吉田輝之)
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第138回
...Until the Sun Comes Up
Atsuko Hashimoto

オルガンはレジェンドのソウルを継ぎつつ、湯加減絶妙のお風呂みたいな心地よさ。ソウル、ブルース、ファンクが溶け合ったグルーヴを生み出す...(平田憲彦)
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第139回
Kelly Blue
Winton Kelly

ウィントンがぶっ飛び過ぎて、他のミュージシャンが「ケリー・ブルー」を演奏したら丸コピーになってしまうか、これを超える演奏をしたとしたら、もう「ケリー・ブルー」では無くなってしまう...(大橋 郁)
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第140回
Enja Selection Vol.3
Various Artists

ミュンヘンの「ドミシル」で録音された『ジュリアン』。続いて『トゥエルフ・アンド・ピングリー』。タイトルが洒落ているダスコ・ゴイコヴィッチの『スウィンギン・マケドニア』...(松井三思呂)
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第141回
Coltrane at Newport
John Coltrane

「犬に咬まれても、蜂に刺されても、悲しくても、お気に入りを思い出せば、つらい気持ちもへっちゃらだよ」「全ての山に登れ、全ての道を歩き、全ての虹を渡れ。自分の夢を見つけるまで」...(吉田輝之)
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第142回
The Antidote
Ronny Jordan

緩いビートに乗せ意味不明のコトバの連射、暗闇で踊り狂う影。ビリヤードとタバコ、タイトなワンピースで厚化粧の女たち。ソウルとファンクとヒップホップがジャズと結びついた...(平田憲彦)
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第143回
In Person
Bobby Timmons

小さな子供が父親に連れられて動物園を訪れ、「あれは何?」「あの象が欲しい」などと質問を投げ、父親は息子が分別のつくように育つようにと努力をして成長を願う...(大橋 郁)
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第144回
Jazz Daimyo
Original Sound Track

テンポの良さが筒井&山下コンビのドタバタ感覚と相まって、一級品のスラップスティック・ミュージカルに。『チョンマゲ頭を叩いてみればニューオリンズの音がする...(松井三思呂)
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第145回
Little Girl Blue
Nina Simone

ラジカセにタイマーをかけて録音、テープを繰り返し聴いていたある日、ニーナ・シモンがとりあげられた。かかった曲は「Little Girl Blue」と「I Loves You、Porgy」...(吉田輝之)
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第146回
Callin' The Blues
Tiny Grimes

自分のクインテットにチャーリー・パーカーが参加したことでも知られるギタリスト、タイニー・グライムス。世界初のロックンロールコンサートにもエントリーされていたのだ...(平田憲彦)
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第147回
MARI NAKAMOTO III
Mari Nakamoto

まさに『縁は異なもの(What A Difference A Day Made)』。レコードとの出会いは、年齢、精神状態、体調など様々な要素が絡み合い、自分だけの名盤が生まれる...(大橋 郁)
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第148回
Minami Yasuda(Part 1)
Minami Yasuda

決定的に他のシンガーと違っていた点、それは、巧く歌おうとか、正しく聴衆に伝えようとか、そんなことに全く無頓着であったことだ。ジャズシンガー安田 南に焦点を当てたい...(松井三思呂)
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第149回
Alfie
Sonny Rollins

ギリシャや東南アジアの船員が闊歩していた三宮から元町に続く国鉄の高架下、外人バーが多く危険な南京町、地下のジャズ喫茶に向かう雑居ビルの階段風景が目に浮かんでくるのだ...(吉田輝之)
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第150回
Spotlight On Lucille
B.B. King

ブルースフィーリングという音楽的要素は、ジャズの歴史を貫通して今も息づいている。BBが残した膨大なアルバムから、ジャズファンに聴いてもらいたい1枚を選んだ...(平田憲彦)
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第151回
North Sea Highlights
Intrioduction

高い実力の割にはあまり知られていないイントリオダクション。オランダの白人ピアニスト、ハリー・ハッペルを中心としたピアノ・トリオ。欧州の一地域で限定された人気のようだ...(大橋 郁)
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第152回
Minami Yasuda(Part 2)
Minami Yasuda

約2万人の観客と凄まじい混乱のなか、啖呵を切ったことで、安田南伝説が生まれた、『第3回全日本フォークジャンボリー』。クランクイン3日目で失踪した『天使の恍惚』。さらに...(松井三思呂)
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第153回
This Is Buck Hill
Buck Hill

豪快な迫力の演奏もするが、モダンなレスター・ヤングといった趣。暑苦しい表情でテナー・サックスを吹いている男。バック・ヒルというワシントンD.Cの...(吉田輝之)
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第154回
El Corazon
Don Cherry, Ed Blackwell

演奏者は2人だけだが楽器は多種多様。世界中の祝祭や子守唄が最小限の音で溶けあったかようなサウンド。まるで、地球が音楽を奏でているかのような...(平田憲彦)
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第155回
Live! in Tokyo
Bobby Enriquez

アメリカの古い小曲、ラテン風ソロ、バロックの引用。幅広い音楽から吸収し音楽的教養に溢れた人だ。世間が彼に求めたのはニックネームとなった「ワイルドマン」であった...(大橋 郁)
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第156回
Minami Yasuda(Part 3)
Minami Yasuda

聴きどころは、南が日本語詞で歌う「モリタート」。劇団黒テントの芝居『阿部定の犬』のテーマ曲。公式音源から1曲を選べと言われれば、この曲を。佐藤信の詞が秀逸、歌声もチャーミングだ...(松井三思呂)
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第157回
Moody
Marilyn Moore

1939年6月、カリフォルニアの少女から手紙が届いた。ビリーは返事を書き、後もやりとりは続いた。ビリーからは少なくとも30通以上の手紙が送られたという。少女の名前はマリリン・ムーア...(吉田輝之)
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第158回
Nefertiti
Miles Davis

一度だけマイルスの来日ライブを見た。東京よみうりランドでの『ライブ・アンダー・ザ・スカイ1988』。ほとんどトランペットを吹かなかった。なんだか狐につままれたようなライブだった...(平田憲彦)
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