美術書籍
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ケルムスコット・プレス設立趣意覚書
(新訳電子版)
ウィリアム・モリス 著
青岳那苑 訳
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著者:ウィリアム・モリス
訳者:青岳那苑
価格:550円(10%税込)※希望小売価格
発行:2022年1月20日
EPUB、リフロー形式
ISBN 978-4-902324-21-1 C0072
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モリスによるケルムスコット・プレスの理念と、書物の本質
デザイン、文学、建築などの多彩な芸術活動を推進したウィリアム・モリスは、英国ヴィクトリア時代のアーティスト。
本書は、モリスが1891年に設立した印刷工房・出版社ケルムスコット・プレス最後の刊行物に収録された、モリスによる設立趣意表明のエッセイです。ケルムスコット・プレスの理念が集約されたテキストであり、渾身の書物論ともなった古典の新訳です。
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本書『ケルムスコット・プレス設立趣意覚書』(以下、覚書)は、ウィリアム・モリスが設立した印刷出版社であるケルムスコット・プレスが発行した53冊目にして最後の書物『A Note By William Morris On His Aims In Founding The Kelmscott Press, Together With A Short Description Of The Press By S. C. Cockerell, And An Annotated List Of The Books Printed Thereat.』(1898年・ケルムスコット・プレス刊)を底本として、そこからモリスの文章『A Note 〜』を全文訳出しました。
ロンドンの古書店『クオリッチ』の顧客であった米国の書物愛好家クラブのメンバーから、ケルムスコット・プレス紹介文の執筆がモリスに依頼され、その文章は後日、米国ボストンの雑誌『モダン・アート』に掲載されました。モリスの死後、その掲載テキストを元に編集して前述の底本に収録したものが本書『覚書』で、モリス最晩年の書物論として、現在でも読み継がれています。
本書『覚書』には、モリスがすでに発表していた『The Ideal Book』や『Printing』でも述べられていることが書かれていますが、本書の特徴は、モリスが考える『理想的な書物』が、その制作方法を軸にして具体的かつ端的に解説されているという点にあります。
またこの『覚書』は、そもそも米国人に向けて書かれたテキストということも特徴です。米国で出版された書物の品質に対して批判的な姿勢を取っていたモリスがここで述べていることは、グーテンベルクの時代から継承されてきた王道の書物作りです。これさえ読めば優れた書物を作ることが出来る、とでも言うような気迫すら感じることが出来ます。
美しい書物づくりの裏側にある豊かな教養とこだわり、そして歴史への畏敬を感じられ、書物に愛情を注いで向き合ったモリスの人生が凝縮された書物論。時代を越える書物を愛したモリスの、現代にも届く情熱が感じられる古典です。
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著者プロフィール
ウィリアム・モリス(William Morris)
1834年、英国エセックス郡ウォルサムストー生まれ。ブックデザイン、書物出版、テキスタイルデザイン、詩、小説、インテリアデザイン、建築など、様々な分野で芸術表現に取り組み、後世に多大な影響を与えました。モリスの芸術活動はマルクス主義を根幹とした社会主義運動への関わりが大きな基礎となっており、思想を具現化したひとつである1880年代から始まったアーツ・アンド・クラフツ運動は、日常生活と芸術の融合を目指してモリスが牽引した芸術活動であり、時代や国境を越えて現在も生き続けています。
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本訳書は次を底本としました。
William Morris
A note by William Morris on his aims in founding the Kelmscott Press
出典:
A note by William Morris on his aims in founding the Kelmscott Press : together with a short description of the press / by S.C. Cockerell, & an annotated list of the books printed thereat.
Kelmscott Press
1898
- 注解は巻末にまとめて万象堂編纂で掲載しました。
- 読みやすさに配慮して、本文中に改行と段落を適宜追加しました。
- 出典原本に収録されているS.C.コッカレルによる解説と、ケルムスコット・プレス刊行物リストは割愛しました。
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