美術書籍
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創造の信条告白
(新訳電子版)
パウル・クレー 著
鈴木淳子 訳
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著者:パウル・クレー
訳者:鈴木淳子
価格:990円(10%税込)※希望小売価格
発行:2023年12月25日
EPUB、リフロー形式
ISBN 978-4-902324-22-8 C0072
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クレーを代表する美術論が、新訳で登場しました。
本論は、20世紀美術の巨匠、パウル・クレーが1920年にドイツの芸術雑誌へ寄稿した美術論であり、クレーの最も有名な論文のひとつとして知られます。造形作品の制作に向き合う際、どのような思考で表現が成されているかが、詩的な文章で記述されています。
※
20世紀を代表する画家、パウル・クレー(Paul Klee)。線描、明暗階調、豊かな色彩、そして記号や文字などを織り交ぜながら、鑑賞者の想像力を喚起させる作品を多く描き、21世紀の現在でも世界中で幅広い人気があります。
存命中も多くの支持があった反面、1930年代にはナチスからの弾圧やスイス亡命など、精神的、経済的に困難な運命をたどり、逆風を生き抜いた孤高の画家でもありました。
しかし本論を発表した1920年はそんな苦難の時代の前であり、クレーの大規模な個展が開催され、ドイツの総合芸術大学バウハウスに招聘されるなど、クレーの創造性が大きく開花し、社会とのつながりが深化し始める年として知られています。文章からも自信に満ちた美術思考と表現への貪欲な情熱が感じられます。
本論で語られるクレーの絵画思考は、詩的な想像力にあふれた幻想的な芸術論ですが、むしろ文章によるクレーの表現作品ともいえるほど、個性が際立っています。読み進めながら読者は、まるでクレーの絵画作品を観ているように文章からクレー芸術を感じられるのではないでしょうか。
「芸術は見えるものを再現するのではなく、見えるようにするものだ」という言葉からはじまり、造形作品を生み出す芸術家を、船で小川にくり出す旅人に喩えるなど、具象と抽象とが造形へと形づくられていく過程を、物語の語り部のような文章で綴っています。教育者としての講義的視点も感じられるテキストともいえるでしょう。
発表された1920年から100年を経た今でも刺激的であり、クレー芸術を理解する上で欠かせない美術論の古典として読み継がれています。
※
本論の初出は、ドイツの作家、カジミア・エドシュミット(Kasimir Edschmid) が編集発行人として1920年前後にドイツで出版していた『芸術と時間への賛辞(Tribüne der Kunst und Zeit)』という芸術雑誌です。その第13号(1920年発行)のテーマが『創造の信条告白(Schöpferische Konfession)』でした。
13号に寄稿した執筆者は18人。画家、建築家、小説家、詩人などの多彩な芸術家が並び、それぞれが、『創造の信条告白』というテーマで自分の考えを述べています。そのひとりが、パウル・クレーでした。
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本論『創造の信条告白』は、クレーによる美術論であり、芸術哲学でありながら、理論よりも感覚からみずからの絵画創作過程をたどった、詩的な印象が強いテキストです。また、バイオリン奏者でもあったクレーですので、絵画思考に音楽的視点を交差させたかのような記述も見受けられます。できる限り注解を充実させましたので、併せてお読みください。
著者プロフィール
パウル・クレー(Paul Klee)
画家。表現主義、キュビズム、シュールレアリスムなどの影響を受けながら独自の表現を確立した、20世紀を代表する芸術家のひとり。
1879年、スイス・ベルン近郊のミュンヘンブーフゼー生まれ。幼少時代より美術と音楽に親しみ、カンディンスキーをはじめ多くの芸術家との出逢いを経て、表現主義、キュビズム、シュールレアリスムなどの影響を受けながら、独自の表現を確立。作家活動と並行してドイツの総合芸術大学バウハウスで10年にわたって美術教育にも携わりました。ナチス政権の弾圧を受け、1933年にスイスへ亡命。多くの傑作を残し、1940年にスイス・ロカルノにて60歳で死去。世界中で人気の高い画家のひとりであり、日本でも幾度となく大規模な展覧会が開催されています。
本訳書は次を底本としました。
Schöpferische Konfession
Paul Klee
Tribüne der Kunst und Zeit
Eine Schriftensammlung Herausgegeben von Kasimir Edschmid XIII
Berlin, Erich Reiß Verlag, 1920
表紙の作品
AMF / © bpk / Nationalgalerie, SMB, Museum Berggruen / Jens Ziehe
Paul Klee, Nördlicher Ort
Datierung: 1923, 173, Material/Technik: Aquarell auf grundiertem Papier auf Karton, mit Gouache und Feder eingefasst, unten Randstreifen mit Gouache und Feder, Höhe x Breite: 28,5 x 36,5 cm, faktischer Entstehungsort: Weimar, Inventar-Nr.: NG MB 124/2000, Location : Nationalgalerie, Staatliche Museen zu Berlin, Museum Berggruen
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