書海放浪記
風と砂利道
26歳、世界放浪紀行
平田憲彦
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1992年4月21日(火)/リヴァプール
今、午後3時。BBC-1で昔のミュージカルをやっている。イギリスもののようだ。
午前中に日本へエアメールを出してから、またテート・ギャラリーへ行ってきた。やはりマーク・ロスコとポロックはすごい。しばらく見たあと、またリヴァプールの中心地にもどってウロウロした。テート・ギャラリーのあるアルバート・ドックはさすが海が近いだけあって大変風が強い。しかも冷たい。真冬のようだった。
昼メシを食ったあとパブでビールを一杯飲んで、また本屋に行った。ロンドンの宿とニューヨークの宿を調べてきた。どうやらニューヨークも高いみたいで、一泊5000円を下る宿はまずないと考えていいだろう。安くても40ドルから55ドル。ロンドンも高くて、ほとんど30ポンド以上。それ以下を探すのは大変で、ましてや20ポンド以下というのはほとんどない。今日見つけてきたのも一泊18ポンド。ここが空いていたらいいんだが。
それにしてもリヴァプールはほんとうにのんびりしていて落ち着く。まだまだ居てもいいんだが、まあいいか。いくら安くて落ち着く所でも、いるだけで金がかかるのは当たり前だから、次に進もうと思う。リヴァプールに来て、今日で一週間経った。
今は夜の7時。ホワイトスターでビールを2杯飲んで絵ハガキを一枚買った。ホワイトスターの絵ハガキである。その後、ホテル近くの例のパブでまた一杯飲んで部屋に戻った。
テレビでは、何かわからないがコメディーをやっている。こんなに毎日テレビを見ることになろうとは。
明日朝の9時10分、リヴァプール・ライムストリート駅発のインターシティでロンドンに向かう。日本を出て初めて安らぎを得た街、リヴァプールを明日発つ。
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