Editor's Note
万象堂へようこそ
2003年にスタートした神戸の小さな出版社です。東京でグラフィックデザイナーだけをしていた頃は、まさか自分で出版をやることになるとは思ってもみませんでしたが、阪神大震災後の復興に少しでも役立つようにと、1996年に故郷の神戸へ家族共々移住し、多くのご縁をいただいて2003年にスタートすることが出来ました。
デザインの仕事をやりながら、夢だった『本づくり』が実現したのは、やはり著者の人々、作品との出会いです。年間8万点もの書物が生まれているので、たいていは出版されている書物を読んで満足しているのですが、読みたくて存在していない本がたまにあります。私が作っている本は、そういう書物です。
ウェブでの連載も、私にとっては書物出版とまったく同じ意味ですが、その存在感はやはり異なります。横組みであること、書体に制限があること、可読性のこと、そしてなにより、ページをめくるという体験的な世界が、スクロールやリンクという世界に置き換わるということ。それでも、私にとってはウェブページは紙の書物出版と意味的には同じです。
主に美術と音楽を取り上げているのですが、編集はかなり偏っていると思います。偏っていて良いと私は思っていますので、趣味や世界観が合う読者に出会えれば、とても嬉しく思います。それがきっと、万象堂が役に立つことなのだと思うからです。
万象堂のウェブサイトへ来てくださって、どうもありがとうございます。ひとつでも、楽しんでもらえるものがあれば、嬉しいです。
万象堂
編集長
平田憲彦
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