美術書籍
万象堂発行の書籍ご紹介
書物印刷概論
(新訳電子版)
ウィリアム・モリス、エメリー・ウォーカー 著
はやみずあゆみ 訳
※高解像度画像はここをクリックしてください。
著者:ウィリアム・モリス、エメリー・ウォーカー
訳者:はやみずあゆみ
価格:550円(10%税込)※希望小売価格
発行:2021年12月22日
EPUB、リフロー形式
ISBN 978-4-902324-17-4 C0072
配信書店一覧
【インスタグラムでも情報発信しています】
ウィリアム・モリスがエメリー・ウォーカーと書物づくりの哲学を凝縮させた印刷論
近代デザインの父、ウィリアム・モリスは、デザイン、文学、建築などの多彩な芸術活動を推進した英国ヴィクトリア時代のアーティスト。そして、モリスと共にケルムスコット・プレス運営に尽力したエメリー・ウォーカーによる、書物印刷の歴史と哲学を凝縮した論文。
本書は、1893年発行の論文集『アーツ・アンド・クラフツ・エッセイズ』に掲載した『書物印刷概論(原題:Printing)』の新訳です。
※
ウィリアム・モリスは、芸術と生活の融合を目指して結成した『アーツ・アンド・クラフツ・ソサエティー』の展覧会を1888年から開催しました。本書『書物印刷概論』は、その第1回展カタログ(1888年)に初掲載されたエメリー・ウォーカーの論文『Printing』を元に大幅な加筆と編集を経て、1893年発行のメンバー論文集に掲載された、モリスとウォーカーによる書物印刷哲学の神髄です。
この論文の原点であるウォーカーの論文『Printing』で深く取りあげられていた書物印刷の歴史をベースに、印刷の発展に貢献してきた歴史的人物たちの紹介、モリスが常に重要視していた書物作りの要点であるタイポグラフィや書体作りの主旨なども詳細に解説されており、現代にも通じるデザインや書物作りの本質を読み取ることが出来るでしょう。
モリスの代表的書物デザイン論『理想の書物』にも書かれたタイポグラフィ哲学は本論でも強く主張され、モリスの揺るぎない一貫性を確認出来ます。また、優れた古典的書物の収集家でもあったウォーカーという大いなる英知を得たモリスが設立する印刷出版社、ケルムスコット・プレス運営へのコンセプトが書かれているとも言えます。
100年を越えて生き続けるモリスのブックデザイン思想と書物作りの情熱は、こだわりや趣味の産物ではなく、数百年を積み重ねた書物作りの歴史から学んで芸術精神を引き継ぎ、また劣悪な品質を嫌悪し排除した、モリスの英知そのものです。
21世紀の現在、モリスとウォーカーが魂を込めて取り組んだ書物作りから私達が学べることは多いでしょう。その哲学が凝縮されている本書は、デザインや出版、印刷に関わる人だけでなく、物づくりに関わっている全ての人にとっても啓発の書となる古典なのです。
※
著者プロフィール
ウィリアム・モリス(William Morris)
1834年、英国エセックス郡ウォルサムストー生まれ。ブックデザイン、書物出版、テキスタイルデザイン、詩、小説、インテリアデザイン、建築など、様々な分野で芸術表現に取り組み、後世に多大な影響を与えました。モリスの芸術活動はマルクス主義を根幹とした社会主義運動への関わりが大きな基礎となっており、思想を具現化したひとつである1880年代から始まったアーツ・アンド・クラフツ運動は、日常生活と芸術の融合を目指してモリスが牽引した芸術活動であり、時代や国境を越えて現在も生き続けています。
エメリー・ウォーカー(Emery Walker)
1851年、英国ロンドンに生まれる。生地商での見習いを経て、22歳で入社したタイポグラフィ・エッチング・カンパニーで知識と経験を蓄える。優れた書物を収集していたウォーカーは、1888年にアーツ・アンド・クラフツ・エキシビション・ソサエティで講演を行う。ジャンソン活字を解説したその講演はモリスに大きな影響を与え、1890年にモリスが設立するケルムスコット・プレスの基礎となった。モリス死去に伴うケルムスコット・プレス閉鎖後、ウォーカーはコブデン・サンダーソンと印刷出版社ダブ・プレスを設立。印刷業界への貢献を続けた。
※
本訳書は次を底本としました。
Printing
William Morris
Emery Walker
Pge 111
Arts and Crafts Essays
By Members of the Arts and Crafts Exhibition Society
With a Preface By William Morris
London
RIVINGTON, PERCIVAL, & CO.
1893
- 注解は巻末にまとめて万象堂編纂で掲載しました。
- 読みやすさに配慮して、本文中に見出し、改行、段落を適宜追加しました。
- 原題は、底本にあるとおり『Printing(印刷)』ですが、本論で述べられている『印刷』は書物印刷に特化しているため、読者の誤解を避けるために本書のタイトルは『書物印刷概論』としました。
配信書店一覧(順不同)
●Amazon Kindle
●Apple Books
●honto
●紀伊國屋書店
●楽天Kobo
●ヨドバシカメラ
●ebookjapan
●music.jp
●どこでも読書
●やまだ書店
●COCORO BOOKS
●booksmart
●DMM ブックス
Copyright © 1996- Banshodo, Hirata Graphics Ltd. All Rights Reserved.